遺言の方式


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遺言には3つの方式があります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で遺言を作成してもらう方式の遺言です。実際に作成する際は、行政書士などの専門家が事前に公証人と作成する遺言の内容を打ち合わせし、原案を作成したうえで、内容を確認しながら遺言を仕上げていきますので、書き漏らしがないという利点があります。
加えて、もう一つの利点は第三者による改ざんのおそれがないこと。さらに、相続開始時に家庭裁判所に検認を申し立てる必要もありません。
ただ、公正証書遺言を作成する際、公証人等に支払う費用が発生するのは、タダで作成できる自筆証書遺言に比べマイナス要素となるかもしれません。また証人2人を用意しなければならず、だれにお願いするか考えてしまうこともあります。しかし、自筆証書遺言で書き間違えたために遺言が無効になってしまう。。。というリスクを考えれば、少々の費用を支払っても完璧な公正証書遺言を作成するメリットといえるでしょう。
また、公正証書で遺言を作成したいのだけれども足が悪く又は寝たきりのため自宅や介護施設や病院などから公証役場までいけない。。。という方もいるかもしれません。そうした場合には公証人に自宅や介護施設病院などに出張してもらうこともできます。

メリット デメリット
  •  公証人などの専門家により作成されるため間違いがない
  • 検認なしで相続手続きが可能
  • 公証役場で原本を保管しているため、紛失や焼失の心配がない
  • 公正証書の存在の有無が全国の公証役場で調査可能
  • 遺言者本人が寝たきりでも、自宅や病院など希望する場所で作成が可能
  • 外国人で日本人に帰化した方の場合、公正証書遺言があれば、基本的に外国の戸籍を集めなくても相続手続きができるので手続きが楽になります。
  • 公証役場等に若干の費用がかかる
  • 証人2名が必要  

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、文字通り「自分で書き残すタイプの遺言」です。書き残すだけですので、いつでも、どこでも、だれでも簡単につくることができます。ただ、裏を返せば、本人以外の方が偽造したり、本人が書いたものを改ざんしたりということも行われる可能性が高く、争いになるケースもあります。
また、自筆証書遺言はそれがあれば銀行や不動産の相続の手続きを行うことができるわけではなく、家庭裁判所で「検認」という手続きを経なければ事実上遺言を相続手続きに使用することができませんし、専門家にこの手続きを頼むとそこで費用もかかってきます。
加えて、自筆証書遺言を作成する場合には、自筆証書遺言に記載する内容は法律に定められており、これら定められた事項がちゃんと記載されていないと遺言自体が無効となってしまう可能性があります。例えば、自筆は面倒だからとワープロ打ちした文章であったり、夫婦の連名で記載していたり、日付が「吉日」と記載されていたり、差し上げる方の名前が「兄に相続させる」と明確でなかったりする場合です。

メリット デメリット
  • 簡単に作成できる
  • 書き間違えていると無効になる可能性がある。
  • 自宅で保管していて紛失する(火災などで焼失する)場合がある。
  • 第三者により偽造や改ざんされる可能性がある。
  • 家庭裁判所で検認をする際に専門家の費用がかかる

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言する人が自分で作成した遺言書を公証人のところまで持参し、遺言書の「内容」を秘密にしたまま、遺言書の「存在」のみを公証人に証明してもらう方式の遺言です。公証人に「存在」を証明してもらえるので、自筆証書遺言のように、遺書が本物かどうかといった遺族の間で争いは起きませんが、秘密を守るため、封筒などに入れて遺言書自体を封じ、遺言書に押印した同じ印鑑で封印をする必要があったり、2人以上の証人を要したりしますので作成方法がかなり面倒といえます。さらに、その遺言書は遺言者自身で保管をすることとなります。また、自分で作成するため、内容が間違えていると遺言書の効果が無くなってしまいます。手続きが煩雑な割に、公正証書のような確実性や自筆証書のような簡単さがなく、ほとんど用いられていない手続きといえるでしょう。

メリット デメリット
  • 遺言書の存在だけを証明できる
  • 中身については証明できない
  • 公証役場で認証してもらう必要があり手続きが面倒
  • 証人が2人以上必要
  • 公証人の費用がかかる
  • 内容が間違えていると無効となる可能性がある
  • 紛失した場合には、なかったのと同じとなってしまう

おすすめの遺言の方式は??

弊所でのおすすめはやはり「公正証書遺言」です。遺言の内容も完璧に仕上がり、紛失の恐れもありません。また、検認をしなくても、公正証書遺言の控え(正本、謄本といいます)と一部の戸籍等だけで、不動産手続き、銀行手続きなどその他の手続きが可能です。また、外国人で帰化した方にとっては、公正証書遺言を残すことで将来の帰化前の国での戸籍取得などの手間がなくなり、簡単に相続手続きが可能となることもメリット。非常に優れた遺言として「公正証書遺言」を活用いただけます。

遺言で死後のトラブルを防止できます!

「うちの子に限って」などは通用しません。あとあとの相続のトラブルを防止するため、遺言が役立ちます。遺言で財産を受け取る人をはっきりしておくことで、確実に自分が財産を差し上げたい方に財産を引き継ぐことができるのです。


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