書いておけばよかった遺言。。。


相続案件の相談が多い私の事務所では、「遺言があれば相続でモメなかったのに!!」と悔やまれる案件がたくさんあります。事実をそのまま載せると問題がありますので変更しておりますが、このような事例をご紹介します。

舞台となる家族は3人家族、夫、妻、子が一人、子には妻がおります。夫は定年退職後、嘱託で仕事を続け、嘱託も終わりつつあり、いよいよこれから妻と余生を。。と思ったところで夫が死亡。妻は夫の名義の建物に住んでおりました。日常生活に必要なため預金については相続手続きをし、妻が使用しておりました。ただ、不動産の登記は未了。いつかやればいいやと思っていながらすっかり忘れています。そんなある日のこと、唯一の子が他界。妻は途方に暮れてしまいます。子供が他界して数年がたち、自分自身も今後の老後のことを考え、有料老人ホームに入ることを決意。現金はあまりありませんでしたので、自宅を売って有料老人ホームに入ることにしました。そこまではいいのですが、不動産屋さんに相談したところ、相続手続きが未了のため相続手続きをしてくださいといわれました。夫の相続登記をしてなかったなー。それではと司法書士に相続について相談したところ「子がすでに死亡しているため、子の妻も相続人になります」と言われてびっくり仰天。。。これは子がなくなっていなければ、妻と子が2分の1ずつ相続しますが、子がすでに亡くなっているため、子の分の3分の2が子の妻に相続することとなるために起こった事象です。子の死亡の後、子の妻は再婚しており、まったく付き合いもなくなっている状態。これでは、必ず向こうから相続分を請求されてしまう。どうしよう。。。妻の苦悩は続くのでありました。

このような事例を見ていてまず最初に考えられるのが、相続登記をちゃんとしていれば、このような事態は起こらなかったといえますが、それに加えて公正証書遺言を書いていれば、争いは起きなかったはずです。仮に、公正証書遺言があれば、遺言通りに相続登記できます。仮に、子が死亡していたとしても、遺言で妻に相続させると書いてあれば、その通りになります。遺言は様々な面で効果を発揮してくれるのです。


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