公正証書遺言にミス発見。。。不動産売却が困難になるケースも。。。


遺言相続の業務を行っていると、公正証書遺言を拝見させていただくケースが多く、その際、大きな間違いに気づくことがあります。例えばこんなケース(守秘義務の関係で事実は書けないため、内容は事実と異なります)。お父様がご逝去され、相続人は後妻と子供が複数。子どものうち、1名は前妻の子供(今は付き合いが全くない)です。お父様は生前「俺が死んだときは公正証書遺言があるから心配するな!」と言っていたそうです。実際に亡くなった後、ご親族は自信満々に「公正証書遺言があるから前妻の子供には少なくとも連絡せずに相続手続きはできるんです」と。。。そこで内容を拝見するとともに、お父様の資産調査をしてびっくり!「遺言に書かれてない不動産があるんですけど。。。それも本体の土地と公道の間の道路部分です。。。しかも、その余の財産についての行き先が決まっていないパターン。。。」つまり公道部分の土地については「法定相続」となり、前妻の子供との協議がなければその土地の名義は変更できないことになります。「これって問題なの?」そう思う方もいるかもしれません。もちろん、自分がずっと住んでいくだけならいいでしょう。しかし、もしもその不動産を売ろうとした場合には、公道に通ずる唯一の通路である私道が相続登記未了であるとすると通常の売買はできません。もちろん、これでも買取をする業者はあるかもしれませんが、のちのち相続争いがあるかもしれない不動産をそのままの評価で買う方はいないでしょう。ましてやエンドユーザーには事実上売れないでしょう。それでは、この「不十分な公正証書遺言」の責任はだれにあるのでしょうか?公正証書遺言を公証した公証人の先生でしょうか?そうではありません。やはり責任は「作成した本人」でしょう。作成の段階での話を聞くと「お父さんが必要書類を公証役場に持って行って作成したのがこの証書」とのこと、つまり、公証人の先生は持ってきてくれた書類を信頼して公正証書を作成しただけですし、基本的に本人が作りたい書類を作っただけなので公証人の先生に何ら責任はありません。要は、公正証書遺言を作りたい本人が相当考えて作らないと間違えるということです。ただ、素人の方が完璧な遺言を作ることは困難です。そこで頼りになるのが行政書士などの専門家。遺言を作成する段階で不動産を含めた資産調査を行い、もれのない遺言の作成を行います。特に「その余の財産は○○に相続させる」など、文言を入れ込む必要もあったことでしょう。どんなに調査しても、どんなに注意してもミスは起こります。ですから、万が一ミスをした時でも回復可能な内容にしておくことが重要です。これも、遺言作成の経験値がものを言いますね。


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