遺言作成に関するアドバイスは非常に重要です。と言いますのは、遺言によって、本人がどのように相続させるかを決めるからです。本日、日経新聞で信託銀行の一つが、ご相談者にあった遺言をアプリがサポートする仕組みを取り入れたと報道されました。これは画期的で、画一的に遺言を作成する場合には非常にであるでしょう。しかし、人は千差万別。すべての人がアプリに沿った内容で満足できるわけではありません。そこには、人の感覚が求められます。私は、ご依頼をいただいて遺言の作成のお手伝いをする際、最初にお聞きするのはご本人が「だれに相続させたいか」「その理由は何か」です。誰でも、それぞれ生き方があるもの。どうしても財産を差し上げたい相手も、画一的ではないのです。その謎をひとつづつほどいていき、本当にあげたい人に財産を相続していただく。それこそが私たちの仕事なのです。だからこそ、だれに相続させたいのかなどの初歩的なことを聞きながら、遺言者本人の想いに寄り添うのです。こんなことをしてきた私だからこそ、アプリにそこまでの力があるか、遺言者の意思が本当に伝わるか疑問になります。遺言は人生最大かつ最後のラブレター。本当に愛する人に残すための最後の言葉です。私はその最後の言葉をいろいろな角度から聞いてまいりました。だからこそ、遺言は重要だと考えています。本当の意味でのオーダーメイド遺言は、スーツと一緒。自ら計ってもらい、そでを通すことでいいスーツができます。遺言も同じ、専門家が一人一人の状況を聞いて、それで解決策に近づけていく。将来のスムーズな相続につなげる。それが、解決策と思います。
遺言のアドバイスはいかにすべきか