【事例】他人と共有している不動産をどう相続させるか
これも悩ましい問題です。他人と共同購入した投資物件。これをどのように相続させるか。これも課題です。
具体例としてはこうです。時は不動産バブル期。ワンルームマンション投資が非常に注目を集めたころ(もちろん、今も注目はされていますが。。。それはさておき)、自分一人で数千万のマンションを買うのは厳しい。。。なので、友人と4人で500万円ずつ出し合い、2000万円のワンルームマンションを都内に購入。現在まで所有しています。相談者Aさんは共有持ち分者の一人。所有者もだいぶ年を取り、所有者の一人であるBさんは亡くなってしまって、相続人が持分を所有しています。共有者Cさん、Dさんは物件の処分の方法や管理の方法の考え方の違いで対立し、中が良くなくなっています。物件もバブル期は高かったですが、現在の取引価格は約500万円。賃料も53,700円と生活保護基準の家賃となっています。管理費は月12000円で、これを差し引くとAさんの受取額は毎月約1万円程度。そんなこともあり、Aさんは「この物件は共有のため今後問題となるとおもいます。問題のある物件を相続させたくないと考えますが、どうしたらいいでしょうか。」こんなご相談。
この具体例のような事例は、実は結構あるようです。私も似たようなご相談を数回いただいております。共有不動産の場合、たとえ相続したとしても思ったように売却できません。もちろん共有持ち分を売却することは可能ですが、他の共有持ち分者と争いになる可能性もあり、相当な安値でしか売却ができない可能性もあります。こうした物件を相続することで、無用な争いに相続人を巻き込ませたくない。。。こう思う方も多いのです。それではどうするか。毎月ちゃんと収益が取れるのであれば、それはそれでよしとするのもいいでしょう。また、空室が続き、管理費だけロスしているケースでは、あらかじめ処分することも考えてもいいかもしれません。まずは共有持ち分者に対して買取をお願いし、それでもダメな場合には、業者にお願いすることも手です。(弊所の関連会社JPL株式会社ではこうした持ち分の買取を行っていますので、その際はご相談いただければと思います。)ただ、売却額はやはり安くなってしまいますので、なかなか悩ましいところ。遺言で解決できる話ではないので、非常に悩ましいのですが、相続させる際はあらかじめこの不動産の問題点をエンディングノートなどで示しておいてもいいかもしれません。遺言だけではなかなか解決できないこともあるんですよね。